今年訪れたい伊勢神宮のふるさと「元伊勢」
「元伊勢」とは、「伊勢神宮のふるさと」という意味を持ちます。これは、伊勢神宮に祀られる「天照大御神」と「豊受大御神」が現在の伊勢神宮に鎮座する以前に一時的に滞在していた場所を指します。
天照大御神は日本の最高神とされ、太陽を象徴する神様です。一方、豊受大御神は食物や衣食住を司る神様で、五穀豊穣や商売繁盛の恩恵をもたらすとされています。
特に、宮津市にある「丹後一宮 元伊勢 籠神社」や福知山市の元伊勢三社「豊受大神社」「元伊勢皇神社」「天岩戸神社」は、元伊勢の中でも特に有名な神社として知られています。
宮津 丹後一宮 元伊勢 籠神社
天照大神と豊受大神が伊勢神宮に移される前にこの地にあったという伝承から「元伊勢」と称されるこの古社は、奈良時代には丹後国の一の宮として、平安時代の「延喜式」では名神大社として認定され、山陰道で唯一の大社として最高の社格と歴史を持っています。本殿の正面には、伊勢神宮と籠神社でのみ祀られる特別な五色の座玉(すえたま)があります。
元伊勢籠神社の奥宮、通称久志濱宮(くしはまのみや)は、霊的な力の源である「くし」を意味し、現在多くの人々がパワースポットとして訪れています。本殿の裏には、約2500年前から変わらぬ姿で祀られている古代の祭祀場「磐座(いわくら)」があり、豊受大神や天照大神を含む多くの神々が祀られています。境内には「天の眞名井の水」と呼ばれる神聖な水が湧き出ており、その霊験あらたかな水を求めて全国から多くの人々が訪れます。
福知山 豊受大神社
丹後へ下った農業の神様豊受大神をまつったのが外宮で、天照大神の夢告によって、三重県の伊勢外宮へ移転させられたとされており、ここの豊受大神社はその元宮だといわれています。
福知山 元伊勢内宮皇大神社
元伊勢内宮皇大神社は、三重県の伊勢神宮に先立って54年前に創建されたとされる歴史深い神社です。茅葺の神明造りの本殿と原始的な黒木の鳥居が、鬱蒼とした天然の森に囲まれており、そのシンプルながらも荘厳な佇まいからは、長い歴史を感じ取ることができます。
福知山 天岩戸神社
元伊勢天岩戸神社は、神々が降臨したとされる神秘的な岩戸渓谷に位置しています。この神社には、神々が座したと伝えられる御座石と本殿があり、最近では全国からパワースポットとして参拝者が訪れるようになっています。岸壁に建つ本殿へは鎖を伝って登ることになります。
三重県の伊勢神宮より54年も前に創建されたとされる元伊勢内宮皇大神社、農業の神様「豊受大神」を祀る伊勢神宮外宮の元宮である元伊勢外宮豊受大神社とともに、元伊勢三社の一つとして数えられています。