印南町のシンボル「かえる橋」は1995年3月に総事業費9億3,500万円をかけて作られた全国的にも珍しい”かえる”をテーマにしたユニークな橋。かえるは印南町のイメージキャラクターにもなっています。
その由来は、努力、忍耐、飛躍を象徴する小野道風の「柳に跳びつくかえる」のイメージから、「考える」「人をかえる」「町をかえる」「古里へかる」「栄える」という5つの”かえる”に願いを込めて作られました。
かえる橋の手前には「かえる小橋」があったり、郵便局のポストの上にかえるが乗っていたりと、印南町内のいくつかの場所でかえるに出会うことができます。
かえる橋は、「やってはいけない橋梁デザイン」の代名詞的存在?
かえる橋が「やってはいけない橋梁デザイン」とされる理由は、その過度なデザインと構造的な問題にあります。この橋はカエルの顔を模したアーチと、その上に子カエルが載せられたデザインを採用しており、直截的で過剰なデザインは構造の合理性からかけ離れていると考えられています。また、アーチ部材の配置が構造的に合理的でないとされ、アーチ構造を採用する必要がない場所での使用など、構造的な観点からも問題が指摘されています。
さらに、かえる橋のデザインは地域との関連性が薄いとされ、地域の特性や文化との連携が不足しているという批判があります。この橋のようなデザインが多く造られた背景には、建設バブルの影響が大きかったとされており、予算の余裕から一般の人々の橋に対する素朴な願いが反映された結果、かえる橋のようなデザインが生まれたと考えられています。しかし、ただ目立つことを目的としたデザインでは、地域が良くなるわけではないという批判があり、橋は地域づくりやまちづくりに貢献するべきであるという観点から、かえる橋は問題があるとされています。