ハニベ巌窟院(はにべがんくついん)は、石川県小松市にある、全国的にも珍しい洞窟型の美術館です。
昭和26年(1951年)、彫塑家の都賀田勇馬(つがた ゆうま)氏によって、かつて石切場として使われていた洞窟内に開設されました。
正面に立つのは、高さ約15メートルの巨大な仏頭。
その圧倒的な存在感は、初めて訪れる人の目を一瞬で引きつけます。
仁王像が構える入口をくぐり洞窟内へ進むと、外界とは切り離されたような、静かで神秘的な空間が広がります。
洞窟内部には、仏像やインド彫刻などが安置されており、**三世諸仏(過去・現在・未来の仏)**を表現した像も見ることができます。
これらは、世界平和や人々の安寧を祈る想いを込めて制作されたものとされています。
一方で、洞窟内には「地獄絵巻」をモチーフにした彫刻群もあり、迫力ある表現が連続して現れます。
その独特な世界観は、単なる宗教施設や美術館とは一線を画し、近年では若い世代やアート好きの来館者からも注目を集めています。
ハニベ巌窟院は、宗教的要素・芸術表現・石切場跡という土地の歴史が重なり合った場所です。
「怖い」「不思議」「考えさせられる」など、感じ方は人それぞれですが、他にはない体験ができるスポットとして記憶に残る存在と言えるでしょう。
所在地:石川県小松市立明寺町1





