古代ローマ建築物を思わせる太い円柱となだらかな曲線を描いた回廊
設計者は、北海道大学を卒業して3年目、当時26歳で北海道庁の技師として稚内築港事務所に赴任してきた土谷実氏です。
北埠頭が旧樺太航路の発着場として使われていた時代に、ここに通じる道路や鉄道へ波の飛沫がかかるのを防ぐため、昭和6年(1931)から昭和11年(1936)にかけて建設された防波堤です。
樺太へ渡る人々で賑わっていた頃のシンボルであり、古代ローマ建築物を思わせる太い円柱となだらかな曲線を描いた回廊は、世界でも類を見ない建築物として内外から注目されています。
半世紀を経て老朽化が進んでいたため、昭和53年(1978)から3年間かけて全面的に改修工事が行われ、昭和55年(1980)にその独特の景観がよみがえりました。
高さ13.6m、柱の内側から壁まで8m、総延長427m、柱の総数70本、半アーチ式の構造形式です。
平成13年(2001)に北海道遺産に指定されました。
北海道稚内市開運1丁目