徳川将軍家とのゆかりの深い、大本山増上寺。
東京、芝にある増上寺は、600年の歴史をもち、徳川家康公ゆかりの秘仏「黒本尊」を祀る「勝運」のお寺として親しまれています。
東京都港区芝公園4-7-35
JR山手線または東京モノレール 「浜松町駅」下車、徒歩 10分
増上寺 訪問記
お寺と東京タワー、歴史的建物と今の建物がコラボした美しい景色を雑誌などで見て、以前から一度は訪れたいと思っていた増上寺。
徳川将軍家の菩提寺としても有名。
今回は建立400年記念で公開されている「三解脱門」を観に行こうとお友達に誘われて出かけることにした。
訪れたのは2022年11月9日。青空がまぶしいくらいのいい天気。
今回の公開は戦後2度目、11年ぶりだとか。この公開が終了したら修繕に入るらしく、次の公開時にはさらに歳をとって上れないかもしれないと決意。
11年前は入場しようという人たちの行列がすごかったと聞いていましたが、今回はコロナ禍もあってか行列することもなく入場できた。
大門駅から向かうと目の前に大きな門。
どっしりという言葉がぴったり合う迫力とその美しさに見とれてしまう。近づくさらに大きく、見上げる首が疲れるほど。
ワクワクする気持ちを抑えながら入場。
400年前に建てられた山門の階段は急で上れるか不安だったが、工事現場にあるような臨時の階段が作られていて、手すりもあり、会談は急ではあるもののスムーズに上れた。
まずはホッと一安心。
東京都内でも最も古い建物に属し、国の指定重要文化財にもなっている楼上は、太くて立派な木で造られており、しっかりとした板の間に立つと400年前の空気感を感じ、当時の人たちと同じような気持ちになれたのではないかとちょっと感動。
楼上には釈迦三尊像や十六羅漢像、増上寺歴代の上人の尊像などが静かにひっそりと安置されていた。
どれも皆違う表情で異なるポーズをし、いつまでも見ていたくなるお顔をしていた。
入場する際にいただいた羅漢カードを同じ顔の像を探してみる。あ、いた。
これもうれしい体験。
素晴らしいことに、フラッシュをたかなければ写真を撮ってもかまわないとのこと。
これで家に帰っても楽しめる。嬉しいね。
仏像には、昔は綺麗な色がついていただろうなと思える彩が少し残っていて、きっと綺麗な極彩色だったのかもしれない。
これには400年という年月を感じ、ただ修繕されていないのでそれはそれで当時のまま、手をつけられていないものだと、また感動。
当時の増上寺には3000人以上のお坊様がいて、学僧のお念仏がお寺周辺に響き渡っていたという。
当時は一般庶民は参拝も許されなかったそうですが、年に数回だか楼上に上ることだけができた。
その際には多くの江戸庶民が集いに賑やかで、楼上からは東京湾が見えたことでしょう。
今は、増上寺大門とその向こうに浜松町の駅が見えるだけ。
この場所で何人もの人が同じように見下ろしていたはず。
今は、真の前には車が走っているけれど、きっと当時にもあった景色が少しは残っているだろう。
400年前の人と同じ場所に立っている幸せ。
だから歴史的建物って大好き。
楼上から降りて見上げるとそこには真っ赤な東京タワー。
ずっと昔からそこにいたようなそんな佇まいも素敵。
東京だからこそ出会えた景色にも感激した一日でした。