梶取崎という地名は、一般に熊野灘を航行する船舶がこの岬を目標にして進路をたて梶を取ることからついたといわれています。
古式捕鯨では、鯨を発見するための「山見」のひとつで、岬の突端には狼煙場跡があります。
熊野層群の砂岩層が作る絶壁が熊野灘に向かって突き出した岬に続く海岸段丘は、13~12万年前の間氷期に形成された海岸付近の平坦面が、南海トラフの巨大地震に伴う隆起によって標高60mまで持ち上げられたものです。岬の下の海岸では堆積構造や熱水活動の痕、生痕化石などを観察できます。
和歌山県東牟婁郡太地町太地