鴻朧館と游月山荘の違い
游月山荘は昔ながらの数寄屋造りの、風情ある純和風旅館。
鴻朧館はビル型(ホテルタイプ)の、近代造りの館です。
純和風の雰囲気を楽しみたいのであれば断然游月山荘がおすすめ!
●食事の違い
ビュッフェ食とお部屋食が選べ、ファミリーや若いカップルのお客様に人気なのが游月山荘。
最近は珍しくなった夕朝食ともに会席料理の部屋食は鴻朧館でシニア層に人気のスタイルです。
2つの館は繋がっていて館内だけでも十分に湯めぐりを楽しむことが出来ます。
月光園 鴻朧館 宿泊ブログ
長引くコロナ禍での有馬温泉一泊滞在記です。
ワクチンの2回目接種も済ませ、買い物以外、出歩くことのない生活で、ストレスを溜めていたある日、古嫁の一言が我が家の歴史を大きく、前へ進めます。
「お父さん!神戸牛食べずに死ねないよ!」と目の前の冷めたタコ焼きをつつきながら、突然の決意表明。
味音痴、旨いと思えばOKの私にとっては、女の呪いが宿る一文に背筋が凍り付く思い。
嫁の呪縛を解き放つために、神戸牛を検索する。通販で取り寄せても、恐らく嫁の味覚を満足させることは無理だと悟る。
つまりは、どこかで、これはAランクの神戸牛ですと言ってもらって、それを食べて、嗚呼、食った食ったとなるはず。
ならば、外で神戸牛を食べるとなると、温泉、神戸牛の一本ルートとなる。このワードで行き着く先は、必然のように有馬温泉となる。
幼少期から慣れ親しんだ有馬温泉の中で選んだ旅館は、月光園・鴻朧館です。選んだ理由は紅葉の季節、周辺観光はしない、神戸牛、川のせせらぎ、以前訪ねた時にお世話になったスタッフさんにまた会えるかも。
さっそく予約カレンダーを覗くと相変わらず人気宿らしく、翌月に少し空きがある程度。コロナ禍でこれはどうなんだとは、思いましたが空いてそうな平日、A5神戸牛のプランをチョイスしました。
当日、寄り道もせず有馬温泉駅前をチェックイン15分前に通過、少し早いので周辺の旅館めぐりをして、日々少しずつ変化してゆく有馬温泉の街並みを楽しんで、15:00玄関前に到着しました。
車はおまかせで移動してくれます。館内に入ると懐かしさと共に、そこかしこに置かれた消毒液、フロントの防止パネルが痛々しく、この対応に、どれだけ労力を割いているのか、頭の下がる思いでした。
通された部屋は二間続きで広縁の付いた和室で、別居ができるほどの広さです。ここのスタッフさんは、館内の説明の間に、浴衣のサイズや身体的に不自由がないかなど、瞬時にチェックされていて優秀です。
ちなみに居室は基本的に喫煙OKです。時々、口コミでクレームつけている人がいますが、こんなスタイルの宿もあると言うことです。
食事までは時間があるので、大きなガラス越し広がる落葉山の紅葉を眺めます。
有馬温泉の中心部から少し離れた場所にある月光園の景観は、裏六甲の色づく山並みと眼下を流れる滝川、川の対面の遊山荘へ渡り廊下など、他の宿にはないものです。
お着き菓子に手を付けない嫁の覚悟を確認したのち、大浴場へ向かいます。基本的にバスタオルは部屋のものだけなので、気になる人は自宅から予備に持っていかれた方がいいと思います。
途中、渡り廊下の腰掛に座って川を眺めていたら、17時から遊月山荘の湯上りビールサービスを思い出して、それならこちらの露天風呂にしようと行先を変更しました。
到着後の一回目は渡り廊下を渡った左手の露天風呂で有馬温泉の看板湯、金泉に浸かりました。湯上りラウンジで頂いた生ビールは最高です。目の前の妻はバーゲンセールを勝ち抜いた戦士のような面持ち。
そして今回の旅の目的、神戸牛A5ランク、シャトーブリアンの夕食を部屋でいただきました。確かに美味しい肉でした。県外不出の但馬牛、その黒毛種の中から選ばれたわずかな部位を食すことができました。
有馬温泉は歴史も古く古事記に記述がある長い歴史を持ちます。六甲山系の北面に位置し、神戸観光の一翼を担う観光施設です。
鴻朧館から近いロープウェイの有馬温泉駅を利用すれば、六甲山上、さらに表六甲から港町神戸にもアクセスできる観光コースも充実しています。
今回は肉に取りつかれた妻の一言から始まった旅ですが、有馬温泉は、やっぱりいいなと思いました。
月光園・鴻朧館は個人差はあるかもしれませんが、スタッフさんの心遣いも最高です。旅先で過ごすうえで一番大事なものが、しっかり受け継がれた有馬温泉を代表する温泉旅館です。
春の新緑、夏の蛍、秋の紅葉、冬の雪景色。いまだ四季を色濃く感じる場所としておすすめです。
色んなスタイルで楽しめる有馬温泉へお出かけください。