曽木の滝の1.5キロ下流に、今でも明治の面影を強く残している曽木発電所跡があります。
曽木発電所は、明治42年に竣工し、その出力は当時国内でも最大級のものでした。
創設者は野口遵で、牛尾大口金山に電力を供給するために明治39年に曽木の滝の水力を利用する電気事業を起こしました。
当時としては大規模な6,700キロワット(最大出力)の電力を作りだし、余剰電力を使い水俣ではカーバイト生産を開始。
後に、戦前における日本最大の化学会社へと発展したことから、この発電所は日本化学工場発祥の地といわれています。
昭和40年に鶴田ダムの完成と同時に水没してしまいましたが、現在では、渇水期の5月から9月に、中世ヨーロッパの居城跡を思わせる煉瓦造りの建物が姿を現します。
鹿児島県伊佐市大口宮人
曽木の滝公園より下流へ