2024年6月中旬~3ヶ月間日本一周の旅に出ます!

新潟旅#3

目次

大地の芸術祭2015と囲炉裏のある温泉民宿(3)

旅した日:2015年8月

大地の芸術祭 新潟の農村でアートにまみれた!大地の芸術祭2015(2)の続きです。

今回の新潟旅の一番の目的「越後妻有 大地の芸術祭」を2日間かけて周ってきました。

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。

松之山エリア(松之山温泉のあるあたり)に移動してきました。

旧東川小学校を利用してのアート作品「最後の教室」を見にやってきました。

クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンの「人間の不在」を廃校で表現した作品です。

その名のとおり、廃校となった小学校を利用した作品で、受付を済ませて中に足を踏み入れるとそこはだだっ広い体育館。

敷き詰められた大量の藁と扇風機に生ぬるい風。

天井からは豆電球が無数にあり、完全に外光をシャットアウトされた空間を微かに照らします。

明るい屋内から真っ暗な体育館の中に入ったので、しばらくは目が慣れず暗闇の中を他の見学者の気配と「なんとなくこっちかな」みたいな勘で進んでいきました。

生ぬるい藁の臭いの体育館を抜けて、校舎の中へ。

校舎の中はどこもかしこも真っ暗。

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豆電球のあたたかな光のせいか、夜の学校の肝試し感はなかったです。

怖さは全然感じず、例えるなら廃校に陣取った秘密結社の基地に潜入するような・・そんな感覚。

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鼓動する理科室っていう展示が一番印象的でした。

爆音の鼓動と共に豆電球が点灯するという展示。

大音量の鼓動音の中、断続的に遮られる視界。五感を刺激する展示です。

ドキドキした!

もしかしたら大音量の鼓動音に自分の鼓動もシンクロしてしまったのかもしれない。

吊り橋効果を期待できそうな展示なので、意中の異性と一緒に行ってみることをおすすめします!

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時間の感覚と場所の感覚がなくなるような感じ。

消えてしまった人たちの記憶。

長方形のアクリル板が並んでいる職員室。

棺桶のように思えるのは私だけでしょうか?

記憶のお墓みたいな。ちょっと神妙でちょっと悲しくてちょっと不気味。

ノスタルジックでちょっと悲しい気持ちのまま、次の展示へ。

長野県北部地震で起きた土石流跡に建設された辰ノ口の砂防ダム。

高さ3メートルの黄色いポール約230本を設置し、かつての土石流の痕跡を表現した作品です。

写真の円柱状のものは、砂防えん堤。

平成23年3月に発生した長野県北部地震(最大震度6弱)により、山腹斜面が崩壊、崩壊した土砂は積雪を巻き込んで土石流となって流下し、延長約100mに渡って国道を埋塞してしまったそうです。

この砂防えん堤はその後作られました。

今回の宿は、清津峡温泉 いろりとほたるの宿 せとぐちさん。

朝の10時から夕方5時まで、昼食を食べるのも忘れてました。

ぎらぎら太陽の炎天下の中、車でいろいろアート作品を見て回り、もう汗だくで体力の限界です。

おばあちゃんの家のような温泉民宿、せとぐちさん。なんかほっとする。

「こんにちは~」おそるおそる玄関の引き戸を開けると、浴衣姿のおっちゃん登場(たぶんお風呂上がりで浴場からちょうど出てきたっぽい)

「いらっしゃい~ちょっと待っててね。今、宿の人呼んでくるからね」

お客さんかいっ!思わず突っ込みをいれたくなりましたが、親切な人だなぁとほっこり。

浴衣のおっちゃんのおかげで無事にチェックインできました。

明るい雰囲気の女将さんが今夜のお部屋に案内してくれました。

本当におばあちゃんの家の一室という感じの部屋。

部屋に鍵がかからないし、他のお客さんは部屋のふすま開けっ放しでテレビをゴロンと眺めてるし(笑)

こういうの嫌いじゃないです。

宿のそばには清津川。ほたるの宿というくらいなので、ほたるがみられるのかな?

食事前の風呂上がりに川沿いをのんびり散歩。

昼間はめちゃくちゃ暑かったのに、夕方になると気持ちの良い風が吹き抜けてすごく心地いいです。

夕食はいろりを囲んで他の宿泊客と一緒に食べました。

囲炉裏でいろいろ焼き物を食べられるのかな?と思っていましたが今回は厨房で作ったものを運んでもらうスタイルでした。ちょっと残念。

夏だから暑いからかな?

ご一緒したお客さんは、東京から渓流釣りにやってきたという2人組の紳士。

ひとりはパキスタンの方で日本に帰化しているとのことでした。

いろいろお話しながらご飯を食べ、ビールを飲み、日本酒を飲み・・・。

日本酒はこの冷蔵庫から好きなものを選ぶスタイル。

新潟の美味しい日本酒揃ってます!いっぱいあって悩みので宿の方に聞いてみるとアドバイスしてくれます(笑)

おやすみなさい。。。

建物が古いのでおばけとか怖いなぁと天井のしみをずーっと眺めてたらいつの間にか眠ってました。

そして気づいたら朝。

2日目もものすごくいい天気。

いい天気すぎて、暑くて辛いTHE SUMMERみたいな一日でした。

朝ごはんも囲炉裏を囲んで他のお客さんと一緒に食べて、女将さんと宿の方に元気に見送られて宿を後にしました。とーってもあったかくていいお宿でした。

ご飯の時一緒になったお客さんとも仲良くなって、別れる際にお菓子もらったり(笑)

民宿ってこういうのがいいなぁって思います。

宿のそばに、清津峡渓谷があると教えてもらったので、アート作品をまわる前に立ち寄り。

往復1.5Kmのトンネルを通って、4ヶ所ある見学所に行くことが出来ます。

トンネル内はめちゃくちゃ涼しかったです。トンネルの入り口5メートルくらいですでに気温が5度くらい違う感じ。

「なにこれ、すずしっ!」って観光客がみんな同じこと言ってるのが面白かった。

こんな感じでどっかの遊園地のアトラクション的な装飾があったり、ビデオコーナーがありました。

トンネル内は景色を楽しめないからそういった工夫がされているのかも。

新潟県が全国に誇る景勝地「清津峡」は、昭和24年9月に国立公園(上信越高原)に指定され、その豪壮 雄大なる閃緑ひん岩の巌礁美と柱状節理の荘厳さ は日本三大渓谷の一つに数えられているそうです。

日本三大渓谷って他はどこ?と気になったので調べてみたら、他の2つは富山県の黒部渓谷、三重県の大杉渓谷だそうです。

黒部と並ぶなんて結構すごいのか?

清津峡のそばにアート作品の展示があったので寄っていきました。

うつすいえ

東京電機大学工学部建築学科の研究室と共立女子大学家政学部建築デザイン学科の学生さんによるプロジェクト。

その名の通り、うつす家。

床がガラス張りになっていて天井や展示物をうつしてます。

スカートはいてたら・・・

床は強化ガラスなので割れないとわかってても、そーっと忍び足で歩いちゃう。

足の下、床の下にパラレルワールドがあるように思えてきます。

次に見学に行ったのがフィンランドのカサグランデ&リンターラ建築事務所の作品「ポチョムキン」

ポチョムキンは、現代人が自然とどう関係を持つのかという問題の分岐点を示しているそうで、人間は、テクノロジーの世界の中でどうしたら存続できるのかという問題に対する長期的な解答を持っている作品とのこと。

田んぼの中に突如現れる、きっちりした秩序ある建物といった印象。ひとり相撲な要塞のようだなと思いました。

よく耳にするエコロジーな家とか自然派な家とかナチュラルな家とか。

無理に「自然」にすり寄って言っている感じがして(デザイン的にもコンセプト的にも)なんか薄ら寒いなと思っていたのですが、ここまでスパーンとした感じだと逆に気持ちがいいです。

人の作ったものはどうしたって人工なんだっていう潔さみたいな。

この作品、もっと時間が経ってたとえば100年後に見たらまた面白いんだろうな。

たくさんの失われた窓のために

作家である内海昭子さんは妻有の自然に圧倒されて、それを邪魔しないような作品、慎ましく咲く花のような作品を目指したそうです。

カーテンは風にたなびき続ける。今も。ひらひらと。

マウンテンパーク津南内にある蔡國強の「ドラゴン現代美術館」

中国福建省徳化の登り窯を移築したものです。

これって美術館なの??登り窯ですよね??って??な頭の中。

実は最初は内部に作品が展示されて、それで美術館と名づけられたそうです。なるへそ。たしかに窯の中は空洞になってるもんね。

津南エリアにある不安定な感じの古民家。

中はこんな感じ。バンガローみたいな。

でも屋根裏部屋はちょっとメルヘンなの

旧機織工場を舞台に、陰と陽をテーマにした空間を展開する作品空間「津南のためのインスタレーション-つながり-」

灯籠に見えたのはなんとTシャツ。

かっちかっちに固められたTシャツ。

倉庫中はなだらかに傾斜がついていたので入り口から見る風景と奥まで歩いてきて見る風景が違います。

固められたTシャツたちがふわふわと漂っているような幻想的な作品。

着古したTシャツだそうなので、なんか人の魂というか念のようなものも感じてしまいそう

大量のハンガー

先ほどのTシャツ灯籠の展示は倉庫の1階部分だったんだけど、大量のハンガーは2階まで続いてました。

2階部分は1階部分とは全然違う雰囲気で明るいです。

天井からは大量の糸。ふわふわの雲みたい。

ふわふわの雲みたい。ほんとに。

美雪町・関芳機織工場跡にある作品でした。こういう建物全部を使った作品っておもしろいなぁ。

大地の芸術祭、最後に鑑賞したのがこのワイヤーぴきぴきの作品です。

このワイヤーの集合体、ずーっとよく見ると人の形が浮かび上がってくるんです。

寝っ転がって、ワイヤー群を見上げる形で鑑賞しました。

ずーっとワイヤーを見て見て見て見て見て、見ることを意識的にしている自分に気づきます。

「もうひとつの特異点」アントニー・ゴームリーさんの作品

大地の芸術祭

大地の芸術祭、とても面白かった!

最初は新潟は遠いし、どうなんだろう?って思っていたけど、本当に行って良かったなぁと思います。

次回は3年後、またたぶん行くと思います。そしてまた囲炉裏の民宿に泊まるかも。

清津峡温泉 いろりとほたるの宿せとぐち

清津川の橋を渡ってすぐにある、木造りの一軒宿。
お食事は囲炉裏で、炊き立ての「コシヒカリ」と「田舎料理」

ひなの宿 ちとせ

日本三大薬湯に数えられる濃厚な(温泉基準の何と15倍)温泉の効能は美肌効果抜群!

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