新潟の農村でアートにまみれた!大地の芸術祭2015(2)
旅した日:2015年8月
新潟最大のパワースポット弥彦神社&弥彦山に行ったよ(1)の続きです。
今回の新潟旅の一番の目的「越後妻有 大地の芸術祭」を2日間かけて周ってきました。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。
農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、「人間は自然に内包される」を基本理念としたアートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。
この大地の芸術祭は広大なエリアに展示が散らばっているので、今回は2日間レンタカーを借りてのんびりマイペースに見てまわることにしました。
バスを利用して見学して回ることもできるし、作品見学ツアーも開催されているみたい。
最初に見に来たのは「絵本と木の実の美術館」廃校を舞台に、物語が表現された「空間絵本」です。
カラッポになった校舎を舞台に、最後の在校生と学校に住みつくオバケたちとの物語が、絵本『学校はカラッポにならない』となり、その物語が校舎いっぱいに広がります。絵本作家の田島征三さんによる作品です。
カラフルで活気があって元気なパワーを感じる作品でした。
廃校という”空っぽになった死んだ空間”が生命力あふれる空間になっていて、ちょっと小学校の頃の自分を想いだしました。
小学校低学年の頃ってなんで毎日あんなにもわくわくしていたんだろう。そんなことを想いださせてくれる場所です。
カラフルなだけでなんだか元気が出るなぁ。
小窓から覗き込むと光の犬達が駆け回っています。
壁に貼られたひらがなの練習がなんかいいなぁ。
懐かしいなぁジャポニカ学習帳を思い出すなぁ
学校の中にくさむら。教室の中にある庭。
中にいるのに外にいるみたい。不思議な感じがします。
次に行ったのは、台湾のベストセラー絵本作家ジミー・リャオさんの作品「Kiss & Goodbye」
土市駅近くにかま ぼこ型倉庫をアレンジした作品。
越後妻有と列車を舞台に都市と地域のつながりを描く絵本『列車に乗って』
絵本の世界を再現した映像作品を見ることができます。
主人公の男の子と相方のわんちゃんが車窓を眺めるといった体で映像物語は進んできます。
美しい映像&優しい音楽、ほっこり見入ってしまいました。
十日町の駅前まで戻ってきました。
越後妻有 里山現代美術館 [キナーレ]の展示を見に来ました。
「キナーレ」の言葉の意味は、この地域で使われている方言で、この場所に来て下さいという意味である「来なされ」と、十日町地域の特産品であるキモノを着て下さいという意味である「着なされ」という意味をかけているそうです。
受付を済ませてエントランスをくぐると、中庭に展示を発見!
特別企画展の「蔡國強 蓬莱山—Penglai / Hõrai」
北京オリンピック開会式の花火の演出でも知られる、中国を代表する世界的アーティストの蔡國強さんの作品です。
裏っかわが面白い!ハリボテなんだなぁ。これ。
東アジアが緊張状態にあるなか、今、最もリアルで、国内外の関心が集まる「島」をテーマにした作品です。
古代中国で仙人が住むといわれた東の海に浮かぶ伝承の島(山)「蓬莱」をメタファーとしているそうです。
常設展示のゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー《ゴースト・サテライト》
十日町市内で収集した廃材、生活用品、農具などを使って構成された作品です。
サテライト=衛星。
日本の中心である東京と越後妻有との関係は、この地球と人工衛星のような関係ではないか?
地球から遠く離れた衛星も情報を発信し続けているかもしれない。
そして、地球から捉えられないその無数の信号の交錯は新たなネットワークを作っているかもしれない。
キノコ好きだなぁ。これも十日町のキノコなのかしら?
レアンドロ・エルリッヒさんの作品《トンネル》
越後妻有の特徴を最もよく表していて、よく見かけるもの。
それは、中山間地であるがゆえの「トンネル」と豪雪地ならではの「かまぼこ倉庫」。
初めてこの地域を訪れた時から魅了されてきたトンネルに着想を得て、作家はこの二つの要素を美術館のための新しい作品にしたそうです。
遠近法と目の錯覚で本当にトンネルにいるような感じになりましたが、実際にはこんな仕様でした(笑)
カールステン・ヘラーさんの作品《Rolling Cylinder, 2012》
真っ白い”装置”のなかに足を踏み入れると・・・うわぁなんか気持ちが悪い感じ。平衡感覚がおかしくなる、あの感じです。
赤白青の螺旋模様が回転するトンネルを通り抜け、平衡感覚が揺さぶられる作品。
赤&青&白、この色合は血液に由来するといわれているらしいです。床屋さんの例のクルクルしてるあれ。
まつだい「農舞台」
「都市と農村の交換」というテーマのもと、地域の資源を発掘し発信する総合文化施設です。
水玉好きにはたまらない草間さんの大型作品があるのでここは一番来たかった場所です。
草間彌生さんの作品 <花咲ける妻有>
大きさ、色使い、毒々しいほどに生命力を感じます。
真夏のぎらぎらした太陽が良く似合う作品だなぁ。
でもちょっと思ってしまった・・・・ディズニーランドとかにありそうやなぁ・・・と。
《今日の限界芸術百選展》の上野雄次氏(華道家)さんの作品。
ちっちゃなかまぼこハウスの中の作品。
一見、かわいいのかな?と思いきや、よく見ると不気味な感じ。
なんだろう、夫婦喧嘩のあとの光景っぽくて・・。
部屋全体が黒板
床も机も黒板なので、書き放題。
河口龍夫さんの作品「関係 – 黒板の教室」(教育空間)「関係 – 農夫の仕事」(農耕空間)
教室全体が黒板であればどんなに楽しいだろうと思い、黒板の教室を造ることとしたそうです。
そういう感じで作られた作品、結構好きだなぁ。
イリヤ&エミリア・カバコフさんの作品 棚田
詩と風景、彫刻作品が融合した作品。
農舞台のそばにある「まつだい郷土資料館」
築約140年のけやき造りの民家を利用した郷土資料館です。
豪雪地帯特有の重厚な建物で、松代の暮らしに密着した民具や資料を展示しています。
資料館の中で、特別企画展「京につながる越後妻有郷」 「ものがたりをつむぐ-雪にひらかれるみち-」やってました。
マリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」 Dream House Art Project
夢の家=夢を見るための家だそうです。
あわただしい現代生活の中で「自分自身と向き合うために、夢を見てほしい」との願いから生まれたマリーナ・アブラモヴィッチによる宿泊体験型作品です。
「夢の家」では夢を見るための準備をし、夢をみるためのスーツに身を包み、夢をみるためのベッドで眠りにつく、夢をみるための宿泊体験を体感できます。
見た夢は「夢の本」に書き綴られ、プロジェクトは「夢の本」を出版するという続きがあるそうで、実際に出版もされているそうです。
赤い部屋はなぜだかわからないけど、心臓がドキドキしてしまって、こんな部屋で眠れるのだろうか?と思ったけど、緑の部屋はなんか良さそう。
そして青の部屋。棺おけのようなベッド・・・この中で眠ったらどんな気持ちなんだろう。
死んだように眠ることができるんだろうか・・
銅製の浴槽に水晶の枕をしつらえた「清めの部屋」
水晶の枕のある銅製の浴槽で身を清め、夢をみるためのスーツを着て、黒曜石の枕のベッドで鉱物から発せられる自然のエネルギーを感じながら一晩を過ごし、翌朝、見た夢を「夢の本」に書き綴り、「夢の家」のプロジェクトに参加する。非常に興味深い!泊まってみたい!!
ジャネット・ローレンスさんの作品 エリクシール/不老不死の薬
魔女の家に忍び込んだような・・
ここは地元の植物を焼酎に漬けたジュース、「エリクシール」が飲めるショット・バー
ローレン・バーコヴィッツさんの作品 収穫の家
伝統的な日本の民家を、嗅覚や触覚や視覚の刺激によって、場所の記憶を体で感じ取れる空間に作り変えた作品だそう。
古い民家を改装し、庭のデザインと合わせて内と外のつながった新しい空間を創った。
室内は、草花や石、穀物などでデザインした「信濃川」「織物」「風景」「収穫」という4つのテーマの部屋からなっています。
新潟の農村でアートにまみれた!大地の芸術祭2015(3)に続く。
清津峡温泉 いろりとほたるの宿せとぐち
清津川の橋を渡ってすぐにある、木造りの一軒宿。
お食事は囲炉裏で、炊き立ての「コシヒカリ」と「田舎料理」
ひなの宿 ちとせ
日本三大薬湯に数えられる濃厚な(温泉基準の何と15倍)温泉の効能は美肌効果抜群!