御杖神社の七不思議とスピリチュアルな由来|元伊勢と呼ばれる理由

※御杖神社(みつえじんじゃ)

御杖神社は、倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神をお祀りする地を求めて各地を巡った際、御杖村を訪れ、自らの「杖」をこの地に残したという伝承に由来する神社です。
その故事にちなみ、現在も境内では「杖」を御神体の一つとしてお祀りしており、古代祭祀の記憶を今に伝えています。

本殿は素木造りの神明造、拝殿は入母屋造という簡素で格式ある造り。
主祭神は久那斗神(くなどのかみ)で、あわせて八衢比古神・八衢比女神が祀られています。
拝殿の両脇には「上津江杉(かみつえすぎ)」と呼ばれる樹齢600年以上とされる御神木がそびえ、境内全体に静謐で厳かな空気を漂わせています。

毎年11月第1日曜日には秋まつりが斎行され、神輿の上で子どもたちが太鼓を打ち鳴らす太鼓台が、威勢の良い掛け声とともに地域を練り歩きます。
この祭りは、神事であると同時に、地域の人々が代々守り伝えてきた信仰と暮らしの結びつきを感じられる行事でもあります。

元伊勢だと実感できる社殿の佇まい

御杖神社は、「元伊勢」と伝えられる神社の一つとされています。
社殿は華美な装飾を避けた素朴な造りで、伊勢神宮に通じる神明造の雰囲気を色濃く残しており、境内に立つとその静けさから自然と背筋が伸びるような感覚を覚えます。

なお、本殿周辺は立入が制限されており、参拝者は離れた場所から拝観する形となります。
その距離感もまた、古代の祭祀空間を大切に守り続けてきた姿勢の表れであり、神域としての厳粛さをより強く感じさせてくれます。

奈良県宇陀郡御杖村神末1020番地
拝観時間|09:00~17:00
拝観料|無料

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会社をボイコットして小さな車でひとり、日本一周の旅をしました。 温泉が大好きで秘湯や混浴、鄙び宿を中心にひとり温泉旅行に出かけています。海外よりも国内旅行が好きですが、韓国やベトナムには毎年数回行っています。(韓国がグルメと美容目的、ベトナムは普通に好きなだけ)基本的に一人旅をしますが、たまに愛犬の福ちゃんや連れとも出かけます。2025年冬に古民家を購入して自力でDIYで古民家改修。神戸と田舎の2拠点移住、畑仕事や地域行事に勤しみます。