昔々、今から約1300年前のことです。奈良時代の日本には、美しく整然とした都市がありました。
その名を平城京といいます。
710年、藤原京からの遷都により、現在の奈良県奈良市と大和郡山市に位置するこの都市は、中国の長安城を手本にして作られました。
平城京は、東西約4.3キロメートル、南北約4.8キロメートルに及ぶ広大な面積を誇り、朱雀大路という大通りが中央を貫いていました。
この大通りを軸に左右に分かれた左京と右京、それに南北東西を通る大小の道によって、碁盤の目のように区画された町並みは、72の坊に整理されていたのです。
今日、私たちは国営平城宮跡歴史公園でその歴史を肌で感じることができます。
2008年から公園の整備が進められ、古都奈良の歴史的・文化的景観を守りながら、奈良時代を現代に伝える空間が作られました。
朱雀門や第一次大極殿など、多くの建造物が復原されており、それらは古代の建築技術を受け継ぐ職人たちの手によって作られています。
この歴史公園はただの文化施設ではありません。
広大で美しく整備された敷地は、ウォーキングやランニングを楽しむ公園としても利用されています。
そして、観光客があまり多くないため、ゆったりと歴史を感じながら散策することができます。
平城京はただの都ではなく、律令国家としての体系を確立し、天平文化を花開かせた、奈良時代の心臓部でした。
今もその息吹を奈良市に残しているのです。優雅で穏やかな時間の中で、その昔の日本の歴史に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。
平城京跡の見どころ&回り方
平城京の見どころは奥深く、歴史的な重要性と美しさが溢れています!おすすめのスポットをいくつか紹介します。
第一次大極殿
天皇の即位式などが行われた、平城宮の中心的な建物。2010年に復元され、その巨大さと細部へのこだわりには圧倒されます。
朱雀門ひろば
現代に蘇った祝祭の場。観光の休憩や情報収集に便利な施設が充実しています。
平城宮跡資料館
平城宮跡の歴史や発掘調査の過程、再現された宮殿などを展示しており、ボランティアによる解説も受けられます。
復原事業情報館
第一次大極殿院の復原に関するCG映像や資料を通じて、復原の過程を学べます。
遺構展示館
実際に発掘された遺構や復原模型が展示されており、当時の建築の様子を肌で感じることができます。
東院庭園
皇太子の宮殿があった東院に位置し、池を中心に構成された庭園は、日本庭園の原点とされています。
さらに、季節やイベントに合わせたさまざまな祭りや催しがあり、平城京の歴史をより深く感じることができます。
訪れる際は、それぞれの開館時間や休館日に注意し、平城京の魅力を存分に味わってください。