宮沢賢治の童話をテーマに夢のある世界を体感できる施設。
賢治の思い描いた世界を5つのゾーンで構成した体験施設「賢治の学校」
ログハウス展示施設「賢治の教室」では賢治の童話に関する展示がされています。
賢治作品グッズや花巻の名産品を豊富に取り揃えたお店もあります。
童話村の森ライトアップ
岩手県・花巻市の宮沢賢治童話村の期間限定で開催される「童話村の森ライトアップ」
広々とした敷地内には自然と偏光フィルターを用いたオブジェ、ミラーボール等が点々と設置。
自然と現実が入り交じる幻想的な宮沢賢治の童話世界を演出します。
2021年で開催6回目を迎えます。
岩手県花巻市高松26-19
8:30〜16:30
新花巻駅から車で3分、花巻駅から車で15分
JR新花巻駅よりバスで2分(JR花巻駅よりバスで17分)
土沢線「賢治記念館口」バス停下車後徒歩5分
宮沢賢治童話村 訪問記口コミブログ
伊丹空港から仙台空港まで飛行機で約1時間強、そこから鈍行列車に乗り岩手県花巻市までゴトゴト揺られること3時間程。
伊丹空港から直行で花巻空港まで行く事もできたが仙台を経由したのは単純に交通費が安くなる為だった。
新花巻駅を降りた時鈍行に乗りながらわかってはいたが生憎の雨。
土砂降りでないだけマシな空気だ。
季節は残暑が残る時期で大阪を出た時はカンカンに晴れており汗を拭くだけで一苦労だったのに花巻市は雨の上、上着を羽織らないと寒い位だった。
これが賢治が「雨ニモマケズ」で綴った「寒さの夏」なのかと納得しつつ徒歩でその日の宿「ケンジの宿」へ向かう。
こじんまりとした宿だが私が事前予約し案内された部屋は木目の美しい壁とゆったりとしたベッド、パソコン作業等できる程の作業机と椅子があり、入ったとたんホッと息がつける部屋だった。
お風呂は時間予約制で個人事に入る事ができ、広い湯船にゆったりと浸かる事ができる。
素泊まりだがこの宿を選んだ理由の一つが宮沢賢治童話村に徒歩で行ける事だったがこの宿に泊まるだけでも十分に雰囲気を満喫できた。
さて宿に荷物を置き一眼レフカメラと財布、携帯のみ持って童話村へ。
目的は期間限定のライトアップイベントを見に行く為。
宿の人が夜道なので気をつけるようにと言ったので念の為携帯の懐中電灯を灯して歩く。
宿の人の忠告がわかる程に道にライト等一切なく本当にこのまま目的地に辿り着けるか不安になる程真っ暗で懐中電灯がないと足元に何があるかすら分からない。
それでも携帯の指す案内通りに進むと大きな車道のトンネルがライトアップされ、そこを抜けると目的を同じくした人達が何人も居りそこが童話村だと直ぐにわかる。
童話村のライトアップは元々宮沢賢治生誕100年記念限定だったらしい。
その年に行ったSNSの知り合いがとても綺麗だったと写真付きで教えてくれたが、その年限定だともう今後は見れないのかと羨ましいと思っていたが、どうやら好評だったようで専用のHPにはその翌年も開催されせっかくの機会なのでと行く事にしたのだ。
銀河ステーションと書かれたゲートを潜り、童話村に入った途端、広がる虹色に灯された幻想的なライトの数々。
山猫とどんぐりを題材とした広場に鎮座する巨大などんぐりのオブジェ、銀河鉄道の夜を模した十字のライトが光る池、移動の度に足元を照らす鉱石を模したライトの数々が眩く照らしながら小道全体に広がり、どれもがファンタジックで幻想的な、それでいて何故か懐かしく心に響くノスタルジーに溢れた世界。
園内を回りながらカメラを構えるのすらもったいないと思わせる圧倒的な賢治の世界。
まるで銀河の海を旅する様な全てに涙すら出そうになる程素晴らしさ。
お勧めしてくれた知り合いに感謝しつつ一旦宿へ戻り予約していたお風呂にゆったりと浸かり雨で冷えた体を温める。
檜のほのかな匂いが気分よく上がった後も暫く体がほかほかと温もりとても気持ちがいい。
お風呂の後はあらかじめ購入していた夕食を食べた後に整えられたフカフカのベッドに入り眠る。
あまりの心地よさにストンと一瞬で眠りについてしまう。
そして翌日ケンジの宿はお風呂と同じく朝食も予約可能で朝食を頂き終えると再び童話村へ。
昨晩の幻想的な世界とは違う本来の童話村の景色が広がる。
この日も生憎の雨だがその雨の冷たさがかえって賢治の世界観に不思議とマッチしていて何やら不思議な気分だった。
昨日は入れなかった賢治の教室、学校等銘打たれた施設を見学し歩く。
学校は宇宙や天空等5つの各テーマに沿った展示をされており展示内容も宮沢賢治の世界をそのまま再現しながら鉱石や植物等賢治が好んだ題材に溢れており賢治の世界を余す事なく体感する事ができる。
学校から教室、小道を通って薬草園を歩きがてら昨日の点灯されていないライトがそのまま飾られているのだが、しとしとと降る雨に濡れるガラスが外の光を反射しておりまたそれが夜のライトアップされた風景とは違う美しさを放ち昼と夜の違う顔を見せる世界を満喫できる。
施設見学をしながらぶらぶらと歩きまわりお土産を買う。
一日もいないのにすっかり賢治の世界を堪能できて満足だった。
夕方帰りに新花巻駅近くに銀河鉄道の夜を描いた絵があると聞いていたのでタクシーを捕まえて案内してもらったのだがタクシーの運転手の方がまた親切で件の場所まで案内してもらい写真を撮影している間待っていてくれたり、話がてら岩手まで来てくれてありがとう等お礼を言ってくれたり(此方がお礼をしたい位だ)旅の最後の最後まで満喫できた。
帰りは新花巻駅からバスで仙台迄、そこから行きと同じく仙台空港から伊丹空港まで。
伊丹を降りた途端どっと襲ってくる残暑の暑さにまさに東北に行って帰ってきたのだと体毎体感する旅だった。
今度は童話村だけでなく様々なゆかりの地を巡り歩きたいと思いつつ、コロナ禍で中々実現できていない。
HPを見ると今年2022年もライトアップはされているとの事。
それならば恒例のイベントとなったのかも知れない。
機会ができたら是非とも次の旅を満喫しに行きたい。