現在進行形で廃墟化している島、池島を探検(2)
旅した日:2015年6月
閉山から13年。九州長崎の孤島、池島炭鉱を見学してきました(1)の続きです。
池島炭鉱を見学した後は、さらに追加で島内観光オプションをお願いして、池島の街並みを見学しました。
島内観光オプションは炭鉱見学の参加者だけが申し込めるツアーになっていて10名限定なので少人数で見学することが出来ます。
池島在住のガイドさんが案内してくださいました。
参加者は私を含めて3名。わたしと同じ兵庫県からいらっしゃった穏やかそうな年配のご夫婦と一緒に回りました。
ガイドさんが一緒なので、立ち入り禁止のエリアにも堂々と入っていけます。
まずは第一立坑を見学します。
写真の奥に見えている高くそびえたつやつです。
真下から見上げるとかなりの高さです。
ここはどうやら写真スポットらしく、ガイドさんが「こっちからこう撮った方がいいよ!」「今度はここからこのアングルね!」みたいな感じで教えてくれました。
立坑の内部を一生懸命説明してくださりました。
閉山から13年、ずーっとここにこうして建っているんだなぁ。
全景が見渡せる場所にて。雨の中ユルユルの足元、転ばないように気を付けながら見学していきます。
郷集落は炭鉱の閉山前はパチンコ屋さんやスナック街が立ち並ぶネオン街だったそうです。
今では建物も蔦に覆われてゆっくりと朽ちていく様相。
静かに少しづつ緑に浸食され・・。
先ほどの立坑の麓。壁のスレート(?)は崩れ落ち、内部の鉄筋がむき出しに。
炭鉱内への送風&排気する施設。この施設で広大な炭鉱内の送風と排気をまかなっていたなんてすごいです。
高速電車「女神号慈海」です。世界最速時速50kmの炭鉱用電車だったそうです。
真っ暗な坑道の中を時速50kmって絶叫マシーンのレベル。
ディズニーランドのスペースマウンテンよりも怖い・・。
ちょっとポップな色使いのバッテリー機関車。可愛らしい外観に似合わず海底で運炭列車を牽引していたガテンなニクイやつ。
このトロッコはジュラルミン製だそうです。
炭鉱内を見学したときに、炭鉱の入り口の光が見えたのはここです。
野っぱらに滑車みたいなものが放置されていました。
天気がかなり悪かったので、おどろおどろしい写真になっちゃってます。
天気が良かったら青空を背景にもっとスカッとしたロケーションだと思う。
社宅群のある方にやってきました。
もうすぐ公開される「実写版 進撃の巨人」の映画ロケ地に軍艦島が使われましたが、実はここ池島にもロケの打診があったそうです。
ただ、俳優さんたちを迎えるきちんとした宿泊施設がない(一応、公民館に宿泊はできる)ことと、ま、諸々な大人の事情(かどうかはわからないけど)があって、結局は軍艦島がロケ地になったらしいです。
廃墟化しています。
ほとんどの部屋の窓ガラスが割れてコンクリートの隙間からは木が生えはじめていました。雑草じゃなくて、木が。
緑色のムック(ガチャピンの相方)みたいだなぁと思いました。
ガイドさんは池島にどうやって人を残すか、保存をするか。ということについて話されていました。
軍艦島のような廃墟島の観光客を増やすということも大事だけど、ちゃんと人が住む島としてどうしていけばいいのかを考えなくてはいけないとおっしゃっていました。
観光客を増やして観光収入を増やすことでこの島を有人島として発展させていくという道もありそう。
瀬戸内海の直島や犬島みたいな感じでこういう廃墟の建物とアートをコラボさせて、古くて新しいみたいな島になったら面白いなぁとふと思いました。
って一度訪れただけの観光客が軽々しく言うようなことでもないのですが・・ふとそんなことを思っただけです。申し訳ない。
今までは廃墟を見るのが結構好きでした。
でも今回、実際に池島に住んでらっしゃるガイドさんと色々な廃墟の建物を巡ってみて、単純に面白がったりしてはいけないなと思いました。
そういう気持ちで、朽ちていく建物を見ると少し切なくなってきます。
若干、センチメンタル
現在でも営業中の炭鉱時代から続く銭湯。
現在、池島にホテルや民宿はありません。
唯一の宿泊施設としては市営の池島中央会館があり、一泊3000円ちょっとくらいで宿泊できるそうです。
今回は翌日に軍艦島観光船の予約を入れていたので、残念ながら池島に宿泊するのは時間的に無理・・。
次回は池島に宿泊してもっとディープに街中を散策したいなぁ。
第2立坑です。
第二立坑あたりには大浴場があったそうで、作業を終えた炭鉱マン達が、真っ黒になった体を洗っていたそうです。
一度に200人くらい入ってる状態っていうのもあったらしい。
池島のシンボル的な(?)団地の8階建てアパートに向かいます。
右奥に見えている建物、実は8階建てなんです。
崖っぽいところに建っているので、こっちから見ると4階建てですが、
反対側から見ると8階建て。
5階部分は共用部になってたそうです。
蔦の生え方が血管みたい
この建物、ここ2年くらいで急激に蔦に覆われ始めたってガイドさんがおっしゃってました。
このアパートに住んでいた女の子が結婚をする際に、生まれ育った場所で記念写真を撮りたいと、池島に帰ってきたことがあったそうです。
自分が育った場所が今では緑ムックみたいな状態になったのを見て、涙した・・・というエピソードをガイドさんが話してくださいました。
確かに自分の思い出の場所が現状、思い出の中の風景とは全く違う状態になっていたらショックかもしれない。
長崎市立池島小中学校です。
生徒は一人だけだそうで、ガイドさんのお孫さんが通われているそう。
一応、給食とかもあるらしいけど給食のおばちゃんがいなくなるから弁当になるかもって。
島内にはコミュニティバスも走っています。
島を案内してもらう際に2回程コミュニティバスに乗車しました。
バスに乗って港の方まで戻ってきた。
坑道へと続く穴。もちろん勝手に入ることはできません。
島内には猪が結構出るそうで、「麹に漬け込んで焼いて食べたらうまかと」ってガイドさんがおっしゃってました。
今度は池島に泊まりにおいで~猪食べさせてあげるよ~と言ってましたが、ほんとかな?(笑)
今回、あんまり出番がない例の鹿。
池島火力発電所跡。
池島では炭鉱から出た微粉炭を燃料に火力発電をしていたそうで、海水から真水を取り出す造水施設も併設されていたらしい。
こうやって写真で風景を切り取ると、ディズニーランドとかUSJとかのアトラクションの装飾みたいに見えてくる。
海水を真水に変える装置は、日本初。昭和41年。
そろそろ瀬戸港へ戻るフェリーの出港時間が近づいてきたので、フェリー乗り場に戻ります。
電動自転車で島を周ってみたかったな。
今回は生憎の雨模様で、あまり猫の姿を見かけませんでしたが、アパートの軒下にいた!
ご近所の方が餌をやったりして世話をしているそうです。
年金が猫の餌に・・・って笑ってました(笑)こういうのなんかいいですね。
フェリー乗り場。
約5時間~6時間のツアー中、足元がめっちゃ悪いのに一度も滑ったり、転んだりしませんでしたが、最後の最後に猫に気をとられ思いっきり滑って転びました(笑)
一緒にツアーを周っていた兵庫のご夫婦に「帰るまでが遠足だよ~油断しちゃだめだよ」って笑われました。
ごもっとも。遠足の基本を忘れていました。
池島港から瀬戸港に渡って、またバスに長時間乗らなきゃいけないのか・・・と憂鬱になっていたら、ツアーを一緒に回った兵庫のご夫婦がレンタカーで来てるから長崎駅まで乗せてあげるよ~って。
超いい人だ。最初は遠慮して「本当にいいんですか?ご迷惑じゃないですか?」と腰が引け気味だった私ですが、ちゃっかり長崎駅まで乗せてもらいました。
長崎に戻る途中で3人で寄った黒崎教会堂。遠藤周作の小説『沈黙』の舞台ともなった黒崎の地に建つ教会です。
水色の衣装のマリア様が上品ですごくいいなと思いました。
長崎駅まで送ってもらい、兵庫のご夫婦と別れホテルに戻ってきました。
ほんのちょっとしか行動を共にしていませんが、なんだか別れる時、さみしい気持ちに。
夜ご飯はホテルのおすすめNO1の居酒屋さんへ。
お刺身盛り合わせと、九州あたりで獲れるうちわエビを食べました。
最初、水槽にいるのを見たときはカブトガニかと思ったくらい、うちわな感じのエビ。
味は伊勢海老っぽいかな?
そしてカウンターの隣に座っていた地元の方と仲良くなりました。
ビールを飲みすぎました・・・(笑)おなかたぷたぷ。
池島さるく
池島には、日本の近代化を支えてきた石炭産業の現場を体験できる国内唯一の炭鉱施設があります。
日本最後の島の炭鉱“池島”でトロッコに乗車し元炭鉱マンガイドの案内で坑内を探検し、炭鉱機器の模擬操作体験など「池島炭鉱さるく」で楽しみませんか。
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