後醍醐天皇の菩提を弔うため足利尊氏が建立した。臨済宗天龍寺派の大本山で開山は夢窓疎石。
室町時代には京都五山の第一位となった。有名な曹源池庭園は開山・夢窓疎石の作庭。曹源池を中心とした亀山と嵐山を望む池泉回遊式庭園で、優美な大和絵風の州浜と宋元画を思わせる池奥の景色とが融合している。境内には大方丈、書院(小方丈)、庫裏、法堂、僧堂などの禅寺様式の建物が並ぶ。法堂の天井に描かれた「雲龍図」は圧巻である。世界文化遺産登録。
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
天龍寺 旅行記
京都の景観・嵐山の名刹・天龍寺
京都市内でも人気のスポットといえば、筆者の学生時代に住んでいた京都市右京区の嵐山地区が特に有名で、自然と美しく形どられた人工物の織りなす景観は多くの観光客を楽しませてくれます。
其の京都というところは市内に限って言えばいつ行っても、1年を通じて常にベストのシーズンと言ってもいいかもしれませんね。
更には、京都の観光的な歴史的な見どころと言えば、京都市内に点在する世界遺産に指定されている華やかな神社や歴史ある仏閣なども有名で、特に、此等の有名寺院の特徴といえば極めてよく手入れされた庭園の美しさは驚嘆に値するものばかりなのです。
今回は嵐山の有名な渡月橋と其の両端に位置する世界遺産の天龍寺と法輪寺について述べてみましょう。
筆者がお世話になっていた京福線の嵐山駅から直ぐ近くには、即ち、渡月橋のお隣のところには世界遺産の古刹・天龍寺という大寺院が有ります。
天龍寺は14世紀の室町時代において朝廷を補佐する管領の細川氏によって建てれたとされています。
広大な境内の中には大小の院や塔頭が立ち並び、特に本堂裏の日本庭園が有名で自然の嵐山の景色を巧みに取り込んでいる(後方の嵐山の自然を「借景」ともいわれます)回遊式の庭園とされています。
又、秋の頃の紅葉の時節になると400本ともいわれるモミジやカエデの樹木が華麗な彩りを添えます。
嵐山の渡月橋と法輪寺の伝承
此のような世界的にも秀でた歴史的観光地・京都ですが、筆者がもっともお勧めする代表的な見所といえば、やはり嵐山や其の代表的な渡月橋などを中心とした周辺界隈とも言ってもいいでしょう。
中でも渡月橋は嵐山の象徴的なところで、外国人たちも大勢観光に訪れているところです。
昔ながらの木製の橋(実際は橋脚部分と橋桁は鉄筋コンクリートで造られています)は、一服の絵のようにもなっています。
この橋脚は嵐山の象徴的な橋で、あるお寺の参詣のために造られたとも言われています。
この橋の謂れといえば9世紀頃(平安時代の前期の頃)の古い時代に、当時の高僧である「道昌」(真言宗の高僧)が橋を造ったのが始まりとされ、嵐山の向こう岸にある「法輪寺」という古刹の参詣のために造られたそうです。 其の「渡月橋」という名前を付けたのは亀山上皇ともいわれ、橋の上を歩きながら名月を眺めているうちに「くまなき月の渡るに似る」と表したことから渡月橋と命名したともされているようです。
この法輪寺という由緒ある寺院には、古い言い伝えというか伝承があるようなのです。
京都の子供達は男の子も女の子も問わず、13歳の歳になると此方の法輪寺にお参りする習わしがあったとされ、この時のお参りをした後は、「橋を渡り終わるまでは後ろを振り返らないように」とされていて、若しも後を振り返るとせっかく授かった多くの知恵や知識がほころびて落ちてしまうとも言われていたそうです。