伊根の舟屋

京都府与謝郡伊根町の伊根地区に位置する伊根の舟屋は、伊根湾沿いに並ぶ独特の民家で、船の保管庫の上に住居が建てられた伝統的な建造物です。この集落は重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、国内外から年間約30万人の観光客が訪れます。海辺に建つこれらの家々は、まるで海上に浮かんでいるかのように見えます。

舟屋はもともと、船を風雨や虫から守るために建てられた施設で、昔は木造船の乾燥のためにも使用されていました。一階部分は船の収納スペースとして、二階は網の干し場や漁具置き場として利用されていたことがあります。当時の二階は現在のようにしっかりとした構造ではなく、単に板を渡しただけの簡易的なものでした。

現在では、船がFRP(繊維強化プラスチック)製になり大型化したため、多くの家では船を舟屋の前に係留していますが、作業用の小舟を持つ家庭も多く、これらは今でも舟屋内に収納されています。また、船の収納が不要になった舟屋の一階は、魚を調理する場所や洗濯物を干すスペースなど、海辺の生活に密接に関連した用途で活用されています。

京都府与謝郡伊根町字平田491
※伊根の舟屋は個人の所有物であり、その敷地も個人の所有ですので、所有者の許可なく無断に侵入しないで下さい。また住民に無断で写真や映像を撮影される行為はおやめください。
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