園部城・園部陣屋は、京都府南丹市園部町小桜町周辺にかつて存在した陣屋または城です。この城は、日本の城郭史において最後に建築された城として知られています。建造物群の一部は、京都府の「暫定登録文化財」に登録されており、城門や隅櫓、城壁の一部が昔の面影を今に伝えています。現在、その跡地は京都府立園部高校の校門として利用されています。
園部城は、江戸時代初期に初代藩主である小出吉親によって築かれました。当時は幕府から天守閣の建設許可が得られず、天守閣のない陣屋として機能していましたが、明治政府成立後に正式に城として許可され、「日本最後の城」と称されるようになりました。
巽櫓(たつみやぐら)、校門(城櫓門)、番所(城番所)などが京都府の暫定登録文化財に登録されており、これらの建造物は園部城・園部陣屋の歴史的価値を今に伝える重要な遺構となっています。
園部城とスーパーマリオの関係性
宮本茂さんは、任天堂の代表取締役であり、世界的に有名なゲームキャラクター「マリオ」の生みの親として知られています。宮本さんの出身地である京都府船井郡園部町(現:南丹市園部町)は、彼が幼い頃に駆け回っていた野山「小麦山」がマリオのゲーム内で駆け回る野山のモデルであるという興味深いエピソードがあります。このような地元の自然が、世界的に愛されるゲームの舞台背景になっていることは、地元住民にとっても誇りであり、感動的な話です。
また、園部城がマリオの宿敵「クッパ」の城のモデルであるという話も、ゲームファンにとっては非常に興味深い情報です。園部城が「日本最後の城」としても知られていることから、その歴史的価値とともに、ポップカルチャーにおける価値も高まっています。
宮本茂さんとその作品が、世界中で愛され続けていること、そしてそのルーツが南丹市園部町にあるという事実は、地元の魅力を再発見するきっかけにもなり、地域にとっても大きな誇りとなっています。
シンデレラ城とも関係あるの!?
園部城に関する新たな評価は、城郭考古学者によって提起されています。明治時代に建設されたため、従来は実質的な城としての機能を持たないと見なされがちでした。しかし、園部城が取り込んだ小麦山は、周辺を制圧する砲台として機能し、敵の接近を阻止する重要な役割を果たしていたことが指摘されています。この設計は、幕末に松前藩が北海道厚沢部町に築いた館城と共通するものであり、戦略的な観点から見直されるべきです。
また、本丸の櫓門に関しても、その実用性について新たな解釈が提供されています。2階の櫓の天井が低く、使いにくいとされてきましたが、これは敵の砲撃の的になりにくくするため、意図的に櫓部分を低く設計したものでした。さらに、大筒用の狭間(射撃用の穴)を備えることで、効果的な防御拠点としての機能を持たせていたのです。これは、西洋の築城術を取り入れつつ、大砲戦に対応可能な日本式の城郭を目指した園部藩の知恵の証です。
このように、園部城は最後の日本式城郭として、そのハイブリッドな特性により、評価を一新する必要があるとされています。これらの指摘は、園部城に対する理解を深め、その歴史的価値を再評価する機会を提供しています。