2017年に水戸岡鋭治氏のトータルデザインによってリニューアルされた館内は大変美しく、アールヌーボー調の華やかで落ち着いた空間が眼も心も楽しませてくれました。
ロビーの雰囲気が和モダンと異国情緒を感じさせ、美術に関心がある方は勿論、そうでない方も目を奪われる他にはない素敵な空間だと思います。
別邸を利用しましたが、部屋付露天風呂も大きく見上げればお庭の緑が頭上に広がり（秋には紅葉になりそれも素晴らしいだろうなと思いました）、とても優雅な心地で温泉を味わうことができました。コロナ禍ということで大浴場は予約制の貸し切り（2022年8月現在）で、家族風呂も含め大小４種類のお風呂をそれぞれ味わうことができ、様々な趣の温泉を堪能できます。大きなお風呂を独り占めできる贅沢もまた格別でした。湯布院は温泉地として有名なだけあって泉質も良く、体の芯から温まり、心なしか肌質も良くなったように思えました。
そしてなんといってもお食事が絶品で、厳選された地元の食材と絶妙な味付け、盛り付けや食器にも随所にこだわりがうかがえ、工夫が凝らされていました。三連泊でお世話になりましたが、毎日どんなお料理が出てくるのだろうとわくわくしました。食べきれないくらいのとてつもない量という程ではなかったですが、中盤頃にはかなり満腹に近く、それでもメインのおおいた豊後牛が驚く程美味しく、結局完食してしまいました（笑）。
朝食には自家栽培米を羽釜で用意してくださり、旬の食材がふんだんに使われ、健康的で豪華なお食事でした。
五歳の息子を連れての宿泊だったのですが、個室のお食事処の隣（カーテンで仕切ることが可能）にはキッズルームが併設されていて、二時間近い食事時間も子供が飽きることなく楽しくゆっくり過ごすことができました。絵本をはじめボールプール、木製おもちゃ（中でも魚釣りセットが息子はお気に入りでした）、キッチンセットなどのあるとても充実したキッズルームでした。
また、スタッフの皆さんの対応も素晴らしく、皆さんきびきびと働かれつつも笑顔が大変素敵でした。
若い方が多かったように思いますが、とても丁寧に心を込めておもてなしして下さっているのが伝わってきました。館内施設やお食事等のハード面がどんなに良くても、接客等のソフト面がイマイチだとまた来たいとはなかなか思えませんが、こちらはもう一度来たいと素直に思える旅館でした。
一歩外に出れば湯の坪街道沿いの賑やかな街並みが広がりますが、そうは思えない程の静かで落ち着いた館内で、身も心も癒され存分にリフレッシュすることができました。
金鱗湖までは徒歩５分ほどで、周りにはお土産やさんや甘味処、観光スポット等も多く、遠出しなくても旅館の周りの散策だけでも十分楽しめます。
また車で少し足を延ばせば、由布岳ややまなみハイウェイ等の美しい大自然を満喫することも可能です。
駅からのアクセスも良く、立地も申し分ないと思います。
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