あだし野念仏寺は、嵯峨野に位置する浄土宗の寺院です。弘法大師空海が風葬された遺骸を埋葬し、その地に五智山如来寺を建立したことがこの寺の始まりとされています。後に法然上人が念仏道場を開き、寺院は念仏寺として知られるようになりました。本尊は阿弥陀如来です。
境内には約8000もの石仏や石塔があり、これらは一帯に葬られた人々の墓です。これらの石仏や石塔は、何百年もの歳月を経て無縁仏となり、散乱していましたが、明治中期に掘り出されて集められました。
毎年8月には、数千体の無縁仏にろうそくを灯して供養する千灯供養が行われています。
化野は風葬の地
化野は、東山の鳥辺野、洛北の蓮台野と並ぶ、平安時代以来の墓地であり、風葬の地としても知られています。
伝承によれば、弘仁2年(811年)、空海がこの地に野ざらしにされていた遺骸を埋葬し、千体の石仏を埋めて供養し、さらに五智如来の石仏を建てて五智山如来寺を創建したとされます。その後、法然が念仏道場を開き、寺院は念仏寺として知られるようになりました。
嵯峨釈迦堂に遺体が運ばれ、小野篁が祀る薬師堂で非人に預けられ、親族はここで最後の別れをします。そしてその後、遺体は化野の山に風葬されるのです。
嵯峨野の奥、霊気漂う念仏寺
念仏寺へのアクセスは嵐山駅から徒歩30分くらい。天龍寺→竹林→常寂光寺→落柿舎→二尊院を通って行くルートがおすすめです。
観光客の多い嵐山駅周辺とは異なり、奥嵯峨野の念仏寺に来ると観光客はまばらで人気観光地の京都らしかぬひっそり感を感じます。
境内には多くの石仏があり、特に西院の河原には石塔の周囲に多くの石仏が配置されています。これらは平安時代にあだしの一帯に埋葬された人々の墓。だからかな?霊気が漂う感じがするのでしょう。
西院の河原では外からの撮影は問題ありませんが、境内での撮影は禁止されているので注意。
化野念仏寺を訪れたら、竹林の階段がおすすめ。嵐山の有名な竹林が観光客で混雑しているのに対し、こちらの竹林はほとんど人がおらず、静かに素晴らしい竹林を楽しむことができる穴場!