賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)は、京都市左京区に鎮座する神社で、一般には下鴨神社(しもがもじんじゃ)の名で広く知られています。
式内社(名神大社)に列せられ、山城国一宮、二十二社(上七社)の一社として、古来より極めて高い社格を誇ってきました。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社に位置づけられています。
創建は平安時代以前とされ、京都最古の神社の一つ。
山城国の一宮として国家鎮護の役割を担い、国事の安泰や民の平安を祈る神社として、賀茂斎院の制や式年遷宮の制など、古代国家の祭祀制度とも深く関わってきました。
御祭神は、賀茂氏の祖神とされる賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と、その御子神である玉依媛命(たまよりひめのみこと)。
縁結び・厄除け・開運守護の神として、現在も多くの参拝者から篤い信仰を集めています。
境内には、国史跡に指定されている糺の森(ただすのもり)が広がり、原生林に近い森の中に、国宝の本殿2棟をはじめ、53棟もの重要文化財社殿が点在しています。
都市の中心にありながら、太古の自然と神域の静けさを今に伝える貴重な空間です。
1994年(平成6年)12月には、「古都京都の文化財」の構成資産の一つとして、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。
毎年5月15日に斎行される葵祭では、平安王朝の優雅な行列が再現され、京都を代表する伝統行事として国内外から多くの人々を惹きつけています。





