神のわざ鬼の手作り仏宇陀人の世ならぬところなりけり
風雪厳しい津軽海峡の荒波が削り上げた大自然の造形、仏ヶ浦は冬の厳しい姿を夏の穏やかな姿の両方を持っています。
白緑色の凝灰岩が約2kmにわたって連なる奇岩の数々は、見るものの心に様々な造形を結んでくれます。
明治の文人・大町桂月は、この自然の演出した姿に驚嘆し、「神のわざ鬼の手作り仏宇陀人の世ならぬところなりけり」と詠んだほどです。
如来の首・五百羅漢・一ツ仏・親子岩・十三仏観音岩・天竜岩・蓮華岩・地蔵堂・極楽浜など仏の名にちなんで名前が付けられています。
その総称が仏ヶ浦です。
夏の穏やかな海からの眺めは、仏ヶ浦の名にふさわしい、穏やかな極楽浄土の浜でもあります。
後ろの木々の緑と紺碧の海、そしてその中に象牙色にたたずむ奇岩の群れは、まさに羅漢様の連なりに見えます。
仏ヶ浦の伝説って?
仏ヶ浦はこの世とあの世の境目であると言われ、霊界の入り口と称されてきました。
そのため、安易に仏が浦の石や砂を持ち帰ると不幸になるとの言い伝えがあります。
またこの地は、むつの恐山とも縁が深い地。
仏ヶ浦は地元では霊場恐山からみて浄土がある方角とされる西側に位置することから、昔から死者があの世に旅立つとき、もしくはこの世に戻ってくるときに立ち寄る所といわれ、今でも海岸に点在するお地蔵様や奇岩へご詠歌を奉納する風習が「仏ヶ浦まつり」として残っています。
また海流の関係で水難事故、投身自殺した死体が流れ着くとも言われています。そのため心霊スポットとしても有名に・・・。
縫道石国有林地内