松尾鉱山跡地

松尾鉱山は、19世紀末から1969年まで岩手県岩手郡松尾村、現在の八幡平市にあった鉱山です。
主な産出鉱物は硫黄で黄鉄鉱も産し、当時は東洋一の硫黄鉱山でした。
山奥にもかかわらず当時の日本における最先端の施設を備えた近代的な都市が形成されたため、「雲上の楽園」と呼ばれ人々の憧れの都市・理想郷となりました。

閉山後に木造の建物は延焼実験目的で焼却され、鉄筋コンクリートの建物だけが残されました。
現在、鉱山労働者が住んでいた鉄筋アパート群が廃墟となって現存しています。
松尾鉱山跡、鉄筋アパート廃墟群があるエリアは現在立ち入りが禁止されていて、遠景を眺めるのみ可能な状態となっています。

その昔、鉱山周辺の原植生はブナ林でした。
しかし鉱山開発前から伐採によりミズナラ林となり、開発後は牧草地が広がりました。
しかし硫黄精錬で出る煙による土壌汚染で強酸性となり、鉱山跡地と製錬所跡は草が生えない荒地に・・。
その周辺も煙害によって木が枯れ荒野と化しました。
排水中和施設の建設後は、失われた緑を取り戻すべく植林が行われています。

※当サイトに掲載の写真はPixtaより引用