兵庫県養父市別宮にそびえる「別宮の大カツラ」は、地域の自然と信仰を今に伝える巨木です。
古くからこの地には、弘法大師・空海が諸国巡歴の途中に立ち寄り、教海寺を開いた際、このカツラを水の神木であると告げたという伝承が残されています。
別宮の大カツラは、標高約730メートルの高原地帯に自生し、樹高約27メートル、株元の周囲は約14メートル、枝張りは直径約24メートルにも及ぶ堂々たる姿を誇ります。
その根元からは清らかな湧水が絶え間なく湧き出しており、この水は下流に広がる棚田を潤す大切な水源として、古くから地域の暮らしを支えてきました。
こうした自然的・文化的価値が高く評価され、別宮の大カツラは兵庫県指定天然記念物に指定されています。単なる巨木ではなく、水と信仰、農の営みを結びつけてきた存在として、今なお大切に守り継がれています。
所在地:兵庫県養父市別宮中畑1324番地 アクセス:JR八鹿駅からバスで約35分





