日本一周の旅でお世話になった瀬見温泉 喜至楼さんの宿泊ブログです♡
瀬見温泉へ
山形豪雨に遭遇
令和6年7月25日からの記録的な大雨により、山形県内に甚大な被害が…。ちょうどその大雨の時に予約していたのが、山形県最上町にある瀬見温泉。宿へ向かう道は出水により通行止め、最上地方には避難勧告が出ているとのこと。
通行止めではありますが、宿に連絡してみて、宿泊可能なことが確認できれば通っていいよと。宿に連絡したら来れるなら来て頂いてOKとのこと。なんとか瀬見温泉に到着しましたが、温泉街は物々しい雰囲気でした。酒田からの道は完全に通行止めになっているらしく、他の宿泊客は全員キャンセル、この日の宿泊者はわたしだけ。
瀬見温泉 喜至楼
日本一周36日目の宿は大雨の最上町、瀬見温泉の喜至楼さん。創業は江戸安政年間。
元々宇和島藩の家臣だったご先祖がこの地に移り住み、湯宿を始めたというのが喜至楼さんのはじまりだそうです。
本館部分は明治元年、別館一部は大正年間の建築と、館内全体が歴史的建造物!どこを見てもレトロ雰囲気。入口は本館、別館とありますが宿泊チェックインや日帰り温泉の受付は別館の入口へ。
事前に電話で連絡していたので、受付では女将さんとお手伝いさんが待っていてくれました。
こんな時にお邪魔してすみません…と恐縮すると、いえいえ!こんな時に来て頂いてありがとうございます~よくぞ来てくださいました!と。今日は宿泊者一人だけなのでお風呂も貸切ですよと。
お部屋は本館の角のお部屋。2面が窓になっているので開放的で明るい和室です。エアコンはないんだけど館内・お部屋がなんだかひんやりしていました。
古い建物が好きで湯治宿とか歴史的建造物の旅館によく泊まっているんです~と伝えると、せっかくだから!と空いている他のお部屋や館内を案内、細かい装飾や設備などまで説明してくださいました。館内見学ツアーしてもらいました(笑)
本館玄関とその周辺建物は、山形県内に現存する最古の旅館建築物なんですって!
宿泊棟の別館は一部大正時代の建築、客室は昭和後半に建築された建物で、明治、大正、昭和を一度に感じられる不思議でワンダーなお宿です。古い建築好きにはたまらんでしょう・・・♡
宿泊したお部屋の壁には素敵な飾り硝子窓。細やかな装飾、眼福で幸せ。
館内は広い上に入り組んだ構造になっていてまるで迷路のよう。
他に宿泊客がいないひっそりとした木造の建物は歩くたびに軋む音がしてちょっと怖いけど、素敵。夜中の館内は本当に大正時代あたりにタイムリープしちゃったかも!?ってワクワクしました(笑)
湯治客用の炊事場もあります。
このトイレの雰囲気がなぜか一番テンションあがってしまった…すりガラスといい、フォントといい、エモいし刺さる。
お風呂は、家族風呂2箇所、混浴の風呂(女性、男性の専用の時間有)や岩風呂、男女別のあたたまり湯や展望のいいオランダ風呂など、たくさんあるらしいんですが、利用したのは混浴とあたたまり湯の2箇所。
女性用のあたたまり湯の脱衣所。ロッカーの装飾がいちいち素敵すぎるやーん。昔の建築物ってえ!こんなところにまで!?ってくらい細かい部分にもこだわりを感じていいな。
喜至楼さんの温泉は源泉かけ流し。源泉温度が68.5度と高温のため、2キロ離れた沢から自然水を引き入れて温度調整をしています。豪雨のため沢からの自然水が濁ってしまって、温泉も濁っていました。
本当は透明のお湯らしいんですが、かなりレア。入れないことはないそうなので、気にせず温泉はいっちゃってた(笑
湯口のパイプには白い析出物がびっしりと。熱い湯がとぷとぷと浴槽に注がれています。
こちらは男性用のあたたまり湯。翌朝に撮影しました。お湯が夜に比べて透明になっているのは、たぶん沢からの加水を止めているからだと思う。
基本的には混浴の大浴場ですが、男女別の時間帯あり。
男性専用時間19時~22時00分 女性専用時間15時~19時。ただこの日の宿泊客は私しかいないのでずっと女子用にしてくれていました。
千人風呂の脱衣所には花咲かじいさん?こぶとり爺さん?日本の昔話をモチーフにした装飾になってるんやね。
豪雨のせいでお湯が濁っていますが、とぷとぷと注ぎ込まれる熱い湯。中央に湯口、加水口があります。
浴槽の底の柄が地球みたいだなぁって思いきや、柄ではなくタイルが剥がれていて図らずも幾何学模様になっていたみたい(笑)経年劣化もなんだかアートアチックになってしまうのは歴史ある宿だからだろうなぁ。
ちなみにチェックインしてすぐのお湯が一番濁っていましたが、適温でいい湯加減だった。ちょっと硫黄の香りと土の香りがするお湯。
源泉名:町営5号源泉
泉質:ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉(低張性・中性・高温泉)
温度:66.1℃
PH :7.4
夜中に温泉街が土砂崩れ
瀬見温泉街は夜中に土砂崩れが発生したり川の増水を警戒して消防隊員が夜通しパトロールしていたりと緊張感ありました・・・もし何かあったら宿の女将さんを担いで避難しなきゃと思っていたので、浅い眠りうつらうつらと夜明かし。夜中にスマホの警報アラート鳴りまくり、町内の防災放送流れまくりなカオスな夜でした。
とりあえず宿も温泉街も無事で夜が明けて雨も小ぶりに。通行止めを回避してチェックアウトできました。今度は荒天じゃない時に温泉に入りに来たいよ・・・。