鉄輪・亀川の地獄地帯は、千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたことが「豊後風土記」に記せられ、近寄ることもできない忌み嫌われた土地であったといわれています。
そんなところから、人々より、「地獄」と称せられるようになりました。今も鉄輪では温泉噴出口を「地獄」とよんでいます。
べっぷ地獄めぐりは 、100 度近い温泉の源泉を見る観光施設です。
海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄の4つの地獄が「別府の地獄」として国の名勝に指定されています。
海地獄
別府の地獄のなかでも最大の海地獄は、コバルトブルーの色をしていて、地獄というのがふさわしくないほどの美しさです。
泉質:含食塩酸性泉(ラジウム硫酸鉄を有す)
深度:泉脈までの深さ200m
泉温:約98度
血の池地獄
血の池地獄は日本で一番古い天然の地獄で、一言で言うなら「赤い熱泥の池」です。 地下の高温、高圧下で自然に化学反応を起こし生じた酸化鉄、酸化マグネシウム等を含んだ赤い熱泥が地層から噴出、堆積するため池一面が赤く染まります。
泉質:酸性緑礬泉
面積:約1300㎡(420坪・840畳)
深度:約30m(粘土のため最深部不明)
摂氏:約78度
龍巻地獄
別府市の天然記念物にも指定される間欠泉が龍巻地獄。豪快に噴き出した熱水は、屋根で止められているが約30mほど噴き出す力がある。
泉質:含食塩酸性泉
泉温:約105度(噴気)
白池地獄
落ち着いた雰囲気の和風庭園にある池は、青みを帯びた白色をしている。これは、噴出時は透明な湯が、池に落ちた際、温度と圧力の低下により青白く変化するためである。
泉質:含ホウ酸食塩泉 塩化ナトリウム、ケイ酸、重炭酸カルシウムを含む
泉温:約95度(噴出口)
鬼石坊主地獄
明治以降「坊主地獄」として観光施設の名所になっていましたが、一度閉鎖され新たに「鬼石坊主地獄」としてOPENしました。灰色の熱泥が沸騰する様子が坊主頭に似ている事から「鬼石坊主地獄」と呼ばれる様になったそうです。
泉質:ナトリウム、一塩化物泉
泉温:約99度
鬼山地獄
鬼山地獄は、別名「ワニ地獄」とも呼ばれている。大正12年に日本で初めて温泉熱を利用し、ワニ飼育を開始した。 現在、クロコダイル、アリゲーターなど、約80頭のワニを飼育している。
泉質:ナトリウム一塩化物泉
泉温:約99.1度
かまど地獄
別府地獄めぐりのひとつかまど地獄は、泉温98度の温泉が噴気とともに湧出。古来より氏神の竈門八幡宮の大祭に、 地獄の噴気で御供飯を炊いていたことがその名の由来。かまど地獄は1丁目~6丁目までさまざまな湯の池がある。
泉質:含芒硝弱食塩泉(ナトリウム-塩化物泉)
泉温:約98度
べっぷ地獄めぐり 旅行記
先日、大分県別府市の地獄めぐりに行ってきました。
大阪よりフェリーで早朝に大分港に到着し、朝食をとって、午前中から早速地獄めぐりに出発しました。
もっと僻地かと思っていましたが、大分の中心市街地から20分ほどで行けるのが驚きでした。
車で行ったのですが、別府市に入った段階から硫黄の臭いが車内にまで入ってくるほどでした。
観光シーズンではなかったですが、かなりの観光客がおり、外国人も多くきていたことから、日本有数の温泉地であることが伺えました。
別府市に入るとあちこちの溝から湯気が立ち上っていて、町全体どこでも温泉が湧き上がる環境があるのだなと感じました。
まずはじめは名勝の龍巻地獄へ。
到着時には噴き上がる5分ほど前という事で、少し待っていると岩盤内の圧力が高まり噴き上がる温泉を見ることができました。
岩で屋根を作っていましたが、それがなければ30メートルほど噴き上がるという事で、それが機械ではなく自然の力で起こっていることに驚きました。
そのまま順路ですぐ隣の血の池地獄へ。
真っ赤な温泉は誰もが想像する地獄そのものでした。
血の池地獄には足湯があり、少し一休み。
足しか付けていないのに体がポカポカになる良いお湯でした。
風呂として入るのとはまた違った自然の力を感じることが出来ました。
過去に大規模な噴出があったようで記念碑なども見受けられました。
次に向かったのが、かまど地獄。
ここではポコポコと泥から湧き出る温泉や綺麗な青い温泉のほか、温泉を飲むことができるコーナーがありました。
体には良さそうでしたが味は…。
そこで温泉卵を食べて、次に向かったのは鬼石坊主地獄。
名前は怖そうですが地獄の中でも綺麗な自然に囲まれた所です。
泥からポコポコと湧き出る温泉は芸術的で地獄とは程遠いイメージでした。
そして次に向かったのは鬼山地獄。鬼ではなく大量のワニを飼育している地獄です。
高温の温泉が湧くことによってもたらされる高い水温で、本来は日本では飼育が難しい動植物の飼育をしていたところが興味深かったです。
そして間近でワニを見ることなどなかったので、その迫力に圧倒されました。
そしてすぐ近くの白池地獄へ。
国指定の名勝というだけあって、温泉というよりは日本庭園にある綺麗な池という感じでした。
室内ではピラクルという巨大魚を展示しており、日本にはいないような熱帯魚が飼育をされているのを見て、町そのものが温泉とともに文化を形成してきたのがよくわかりました。
そして最後に向かったのが海地獄。
こちらも国指定の名勝という事で大きな綺麗な湖が広がっているような印象でした。
あちこちから温泉が湧いている事で中にある池も水温が高いようで、大きな蓮や水蓮があるのが印象的でした。
1日で一気に地獄めぐりをしてきましたが、とにかく街全体が温泉という中に、なかなか見ることができない生き物や植物が飼育されていたりと、日本であって日本でないような環境が作られていたことで楽しい時間を過ごすことができました。