隈研吾×梼原町|世界が注目する木造建築の聖地へ。雲の上のホテルと建築巡礼の旅

高知県の山あいにある梼原町(ゆすはらちょう)は、まるで“隈研吾建築ミュージアム”のような場所です。
町のあちこちに、建築家・隈研吾さんが手がけた木造建築が点在していて、その数は世界で最も多いとも言われています。

図書館、まちの駅、庁舎、ホテル…。どの建物も、森と風と光が調和するように設計されていて、まち全体が静かなアート作品のようです。

新しいホテルや道の駅の計画も進んでいて、これからさらに“建築の聖地”として注目されること間違いなし。
そんな梼原町には、隈さんが“自分の原点”と語る芝居小屋「ゆすはら座」もあります。

隈研吾さんと梼原町の出会いは1987年。
当時、梼原公民館(のちの「ゆすはら座」)の保存運動をしていた一級建築士・小谷匡宏さんが、隈さんをこの地へ招いたのが始まりでした。

はじめて訪れた梼原の木造建築を目にした隈さんは、山の木のぬくもりと人々の手仕事の美しさに心を打たれたそうです。
それ以来、梼原町の保存活動にも深く関わり、町と建築をともに育てていくような関係が続いていきます。

そこから生まれたのが、「雲の上のホテル」(1994年/現在は建て替え中)をはじめ、「梼原町総合庁舎」(2006年)、「雲の上のギャラリー」(2010年)、「まちの駅ゆすはら」(2010年)、「YURURIゆすはら」(2018年)、「雲の上の図書館」(2018年)など。
どの建物も、梼原産の木材を使い、まるで森の一部のように風景に溶け込んでいます。

いまや世界を代表する建築家となった隈研吾さん。
そんな彼が「梼原は、自分の建築の原点」と語るように、この小さな町には、自然と建築、人の思いが見事に重なり合う“原風景”が息づいています。

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会社をボイコットして小さな車でひとり、日本一周の旅をしました。 温泉が大好きで秘湯や混浴、鄙び宿を中心にひとり温泉旅行に出かけています。海外よりも国内旅行が好きですが、韓国やベトナムには毎年数回行っています。(韓国がグルメと美容目的、ベトナムは普通に好きなだけ)基本的に一人旅をしますが、たまに愛犬の福ちゃんや連れとも出かけます。2025年冬に古民家を購入して自力でDIYで古民家改修。神戸と田舎の2拠点移住、畑仕事や地域行事に勤しみます。