元禄十五年創業、温泉情緒漂う山陰の山峡に佇む閑静な湯宿。湯量豊富で効能豊かな温泉を、八つの湯処でお楽しみ下さい。
また、春夏秋冬但馬の恵みを贅沢に味わうこだわり会席を、趣向豊かにお届けしています。
兵庫県美方郡新温泉町湯1535
佳泉郷井づつや 宿泊記口コミブログ
兵庫の温泉地、湯村温泉にある旅館です。住所に「新温泉町」とあるように、これぞ温泉街といった街並み。あまりアクセスが良いとは言えませんが、だからこそ日常との隔世感があり、忙しい日々を忘れてゆっくりと寛ぐには最高のエリアといえます。
温泉街といえば年季が入った老舗旅館が魅力的ですが、小さな子供連れだと少し不安な面もあります。部屋は清潔だろうか、寛ぎやすいだろうか、ご高齢の方が多く、小さな子どもがぐずったりしたらご迷惑にならないだろうか。実際わたしが湯村温泉を訪ねた時も娘が未就学児で、このような不安を覚えつつ宿探しをした記憶があります。
そんな中で選んだ井づつやさんは、私の不安を払拭するのに十分すぎる旅館でした。
まず驚かされたのがロビーの広大さ。天井も高く、屋内にも関わらず感じる開放感。そしてとにかく綺麗。
チェックインの際はカウンターでなくロビーのソファに案内され、まずはお茶菓子を用意してくださいました。運転を担当した私には最高の一服タイム。少しひと心地ついたタイミングを見計らってスタッフさんが来てくださり、お茶菓子を楽しみながらのチェックインとなりました。
案内されたお部屋も広く清潔。この時は和室を選びました。子供用サイズの浴衣も用意していただき、子供はご満悦。オトナ気分を満喫したようです。このほかにも特別室や洋室、バリアフリールームもあるそうですので、多くの方が安心して寛げる旅館です。
そして目玉の温泉。素晴らしいの一言です。長者大岩大風呂「やくしの湯」や露天風呂「夢の湯」、展望桧風呂「和みの湯」など、それぞれがメインを張れるレベルの風呂があり、最初はどれにしようか迷うほど。滑らかなお湯で浸かり心地は最高、湯上がりもポカポカ。時間を忘れてのんびりとくつろげます。
入浴後の夕飯はグループ向け食事会場でいただきました。部屋食でなくても座席間の仕切りがしっかりなされており、他の方々を意識せずグループで気兼ねなく歓談ができます。
こちらに伺う前は、冬の名物としてカニを夕飯の目玉と考えていたのですが、メニューに入っていた但馬牛の美味しさに一番驚きました。とてつもなく肉が柔らかく、脂も甘味があってしっかり旨味として主張しており、その一方でしつこくなくもたれる感じもない。自分が食べてきた中で一番の牛肉でした。
これ以来一番好きなブランド牛を聞かれたら但馬牛と即答するようになり、但馬牛食べたさにこのエリアを訪れるようになりました。本当におすすめです。
館内だけでも充分すぎるほど満喫できますが、せっかくこの宿に来たならぜひとも裏口玄関「荒湯門」を通ってお散歩にも行っていただきたいです。源泉荒湯まで徒歩一分。雨の日はもちろん貸し傘もあります。街中では定番の温泉たまごもチャレンジできるので、ぜひ湯村散歩を楽しんでいただきたいです。
最後はスタッフの暖かい笑顔に見送られて出発。車窓から旅館の姿が消えて最初にすぐ浮かんだのは「二泊でもよかったな…」「また来る絶対」でした。本当に、本当におすすめです。ありがとうございました。